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国際障がい者デーに考える一人ひとりの個性 ~1枚のTシャツに込められた想いとは~

「Play fashion!  for All(プレイファッションフォーオール)」は、「スタンダードを、変えていこう、広げていこう。」をコンセプトに、社内事業提案から立ち上げたインクルーシブファッションプロジェクトです。12月3日(土)の国際障がい者デーに、疾患や障がいの有無に関わらず、個性を認め合いながら仕事ができる環境を目指し、社内外で勉強会やイベントを開きダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)に取り組むジョンソン・エンド・ジョンソンの「ADA(Alliance for Diverse Abilities)」という有志社員のグループと、障がいのある人のアトリエ/福祉施設 「嬉々!!CREATIVE」に所属する栗田佳子さんとコラボし、ある一枚のTシャツを制作しました。


今回のコラボ経緯について

アダストリが展開するインクルーシブファッションプロジェクト「Play fashion! for ALL」では、障がいの有無などに関わらず、すべての人が着やすい服づくりと、自由にファッションを楽しんでいただける機会を創出することに力を入れています。ジョンソン・エンド・ジョンソンのADAメンバーの「誰もが楽しめる衣服の制作への想い」に共感し、今回のコラボの実現にいたりました。

このTシャツに施された、アダストリアならではのインクルーシブな”仕掛け”について。



大谷:「インクルーシブデザインとして、”着やすい”と”便利”なギミックを入れました。またファスナーは開閉し易い樹脂製のファスナー。引手には、ファスナーと触れた時にカチカチと音が出ない、シリコン製のものを使いました。」

例えば首元から斜めにつけた2本のファスナー。ファスナーの先端には指を引っ掛けやすいようにリング状のひもがつけられています。



リング状のひもは身体的な障がいがある人がファスナーを開けやすくする工夫です。ファスナーがあることで、開けることで首がつまらず着やすくなるため、肢体に不自由がある場合でも両面で開くことができます。

また、Tシャツの生地はコットン素材を採用し、肌が敏感な人も着やすいよう配慮しました。加えて、タグがTシャツの中に無いため、皮膚疾患がある人にも配慮したデザインになっています。


Tシャツのデザインコンセプトについて、ADAプロジェクトメンバーの丸山さんにも障がいや疾病がない人にも着やすい「インクルーシブなTシャツ」にしたいという想いがありました。

丸山さん:「ファスナーをつけることで障がいがある人だけではなく、乳幼児がいる女性が授乳する時や、メガネをかけている人が着替える時などを想定しました。また、サイズをワンサイズにすることで過剰在庫を抱えず環境にも配慮しました。」


栗田さんが描く迷いのないダイナミックな世界観


栗田さんが通うアトリエ「嬉々‼CREATIVE」は、東京から電車で1時間ほど離れた、神奈川県平塚市にあります。アトリエ「嬉々‼CREATIVE」は障がい者支援施設で、10代から60代までの人が通所しています。栗田さんは知的障がいがあり、高校卒業後からこのアトリエに通い始めました。平日の午前10時から午後4時まで絵を描いたり、粘土で造形物をつくったりと創作活動に取り組んでいます。創作活動に限らず、栗田さんはダンスや音楽など幅広いことに関心を持っています。


栗田さんがアーティストとして活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

高校を卒業する前、栗田さんはどんなことが自分に向いているのか、母親と一緒に複数の社会福祉施設に見学や体験に行ったといいます。見学した施設の中で唯一、栗田さんが「ここがいい」と言ったところが「嬉々‼CREATIVE」の前身となる団体でした。

嬉々‼CREATIVE副社長の中尾大良さんによると、栗田さんの母親は最初、娘が細かい作業に向かないのではないかと心配していたといいます。

中尾さん:「でも実際にものづくりにトライしてみたら、ダイナミックな絵が描けることに気付きました。お母さんは『こんな才能がうちの子にはあったんだ』と初めて気付いたそうです」

自身が描いた絵が展示会で高く評価されたり、似顔絵を描いてもらった人が喜んだり、こうした反応を見て、栗田さんは少しずつ創作活動が自分の仕事だと認識するようになっていきます。


今回のプロジェクトでは、100を超えるアーティストの作品の中から、栗田さんが描いた「トラ」の作品が選ばれました。栗田さんの強くて可愛いトラを書きたいという気持ちが表現されています。


吉田さん:「栗田さんの創り出す世界観は、人の心を惹きつけ、わし掴みする魅力があり、とても多彩で素敵な世界でした。障がい者だからではなく、障がいの有無にかかわらず、栗田さんにしか描けない、栗田さんが創り出す独自の世界にいざなう瞬間に立ち会えました。」

今後の各プロジェクトの取り組みについて



「Play fashion! for ALL」では、プロジェクトのコンセプトである「スタンダードを、変えていこう、広げていこう。」を実現していくために、まずは当事者自身が、着たい、好きな洋服を自由に選びたいという想いをかなえる活動をしていきたいと思います。今後もプロジェクトを通して様々な才能で活躍するアーティストの方や異業種の方と一緒に服を通じて、ワクワクをお届けできるようたくさんのことに一緒にチャレンジしていきたいです。様々な理由でファッションを楽しめなかった人も、今回の取り組みや気付きを通してワクワクができるものが広がっていってほしいと考えています。

※この記事は、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループが2022年12月1日に掲載した記事を、同法人から許可を得て再構成したものです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの元記事はこちら
https://www.jnj.co.jp/story-innovation/international-day-of-people-with-disability-inclusive-tshirts-for-everyone



■Play fashion! for ALLについて
「スタンダードを、変えていこう、広げていこう。」をコンセプトに、社内事業提案プロジェクトから発足した、アダストリア発のインクルーシブファッションサービス。社内の持病や障がいを持つメンバーがプロジェクトに参画し、「一人ひとりの視点」を大切にしながら、それぞれのニーズを叶えた服を制作し、販売をしています。

公式WEBサイト .st(ドットエスティ)内では、既存アイテムから、障がいを抱える人や介護に携わる方たちにとっても機能性があるアイテムをおすすめするPlay fashion! for ALLページをつくりました。
https://www.dot-st.com/disp/itemlist/?dispNo=002001270010

Instagram:@playfashionforall


■ジョンソン・エンド・ジョンソンのADA について(Alliance for Diverse Abilities)

アライアンス・フォー・ダイバース・アビリティーズ(ADA)は障がいの有無に関わらず、ともに働く社員がそれぞれの多様性を認め合い、活かしあうことで最高のパフォーマンスを発揮できる職場環境を形成することを目指して取り組みを行う社員グループです。グローバルでは92カ国で約3000人が活動に参加しています。日本では2019年9月に発足し、「四肢/内部/聴覚/視覚等の障がい」「自閉スペクトラム・ADHD 等」「メンタルヘルスへの取り組み」「ワークシックバランス」の4つのグループで、様々なメンバーが積極的に活動を行っています。


特設サイト:https://www.jnj.co.jp/sustainability/de-and-i/initiativesupport/ada