私たちにとって「ファッションをもっと楽しむ」とは

A-People

楽しんで服をつくること。 それも、サステナビリティにつながる。

アダストリアは、「2030年までに全商品の使用素材の半分以上をサステナブルな原料と加工に切り替えること」を目指してさまざまな取り組みを進めています。独自に設けたサステナビリティの定義にあてはまる商品には「サステナブルマーク」を記載しています。
そこで気になるのが、「どんな風にサステナブルな観点を取り入れているのか」という視点。今回は生産部 ローリーズファーム生産チームの原田 亜希子さんと、素材開発部の十亀 和弘さんに、サステナブルな商品づくりについて語っていただきました。

「かわいい」だけじゃない購買理由。
「選び方」が、変わってきている。


十亀:サステナブルな商品づくりに対する意識が社内で特に高まったのは、2017年頃ですかね。

原田:そうですね。以前からずっとサステナブルな服づくりを意識していましたが、特に高まったのはその頃からだと思います。それから、お客さまの意識も変わってきていると感じることも多いですね。サイトで商品に対するクチコミを読んだり、お客さまの反応を店舗のスタッフからヒアリングしたりしていると、「オーガニックコットンだから購入しました」など、サステナブルな商品であることが購入のきっかけとなったというお声を聞く機会が以前に比べて増えたように感じています。

十亀:とても素敵なことですね。

原田:本当にそう思います。最近はレジ袋をもらうよりエコバッグを持つのが当たり前になるなど、購買の仕方もいろいろ変わったじゃないですか。そうした変化がある中で、お客さまも「どんな会社がつくっているんだろう」「どんな素材でつくられているんだろう」をより一層意識されているように感じます。私も、同じような価格帯で似たデザインの商品があったら、よりサステナブルな方を選びますし。


十亀:社会の意識が変わってきているのはありますよね。僕も、もっとサステナビリティについて当たり前に考えて行動できるようになりたいなと思って、子どもたちにSDGsに関する本を読み聞かせをしたりすることが増えました。最近はテーマパークなどでもSDGs関連のイベントが増えてきたので、それとなく参加するよう誘導したり。

原田:いいですね。素敵です。私は、スーパーなどで賞味期限の近いものから買う「前取り」を子どもの頃からやっています。牛乳の大量消費に関するニュースを見たのがきっかけなんですが、ずっと続けていますね。

独自に生み出す、自ら取り組む。
アダストリアが目指すサステナビリティ。


原田:アダストリアでは現在、「2030年までに全商品の50%をサステナブルな素材に切り替える」という目標に向かって、サステナブルな原料や加工を取り入れるなど、各ブランドでさまざまな工夫を凝らしていますよね。私が担当するローリーズファームでも、年々サステナブルな素材の使用率が上がってきているんですよ。

十亀:私は社内で独自素材開発に関わっていますが、そこでもサステナブルな素材の利用が進んでいますね。


原田:ここにあるトップスはすべて「ミュウリス」というアダストリアの独自素材を使用した商品ですよね。

十亀:そうです!「ミュウリス」は、上質なUSAコットンをブレンドしたサステナブル素材。水利用率の軽減や温室効果ガス排出量の改善などに配慮された原料を使用しています。

原田:とてもサステナブルに特化した素材ですね。それに、しなやかな肌ざわりとやわらかな風合いが気持ちいい!


十亀:快適な着心地、肌触りというものを特に意識してつくりました。仮に、サステナブルであることだけに特化していたとしても、価格が高かったり、着心地が良くなかったりと、「着てみたい」と思ってもらえなければ意味がない。開発中は、このバランスをどう調整するかでとても悩みました。


十亀:その為には糸の配合率を変えたり、織り方を変えたりして風合いのバリエーションを生み出し、上品さやかわいさも演出できるよう、今もいろいろと試行錯誤しています。

原田:私も生産MDとして、「サステナブルな要素を商品に取り入れつつ、いかにお客さまに手に取りやすい価格帯やデザインにするか」を常に考えています。仮に、サステナブルな要素を取り入れたことで生地のコストが上がってしまったとしたら、デザインや仕様、生産体制を調整してなるべくトータルコストを変えないよう頑張りますよ!

十亀:嬉しいです。みなさんの努力や工夫のおかげで、年々「ミュウリス」のようなサステナブル素材を商品に取り入れてもらえる比率が上がってきているんです。


原田:服づくりには、デザイナーやMDなど、他にもいろんな人が関わっているじゃないですか。アダストリアは、どの立場の人もそれぞれに協力しあいながら、サステナブルな要素を取り入れようとしていますよね。どうすればもっとサステナブルな服づくりが実現できるのか。もっとお客さまに喜んでもらえるのか……を、私たちは全員本気で考えている。それぞれ求められる役割は違っても、目指しているゴールが同じだからこそ、自然とお互いに協力しあっていけるんでしょうね。

「サステナブルマーク」は、
ものづくりへの自信のあらわれ。


十亀:ここにあるトップス以外にも、アダストリアでは他にもいろんなサステナブルな要素を取り入れた服をつくっています。それを表現したのが「サステナブルマーク」なんです。

【サステナブルマーク】


原田:さまざまな面で、サステナブルな商品であることを立証したマークなんですよね。

十亀:そうですね。サステナブルコットンを使用したものやペットボトルなどのリサイクル素材を使ったもの、リサイクルウールの素材を使用したもの 、植物由来でつくられたセルロース繊維を使ったもの……それぞれどんな取り組みをしているかがマークを見ればすぐにわかるようになっています。これ以外にも、デニムの加工時に使用する水の量を減らしたりだとか、商品づくりの中でサステナブルな取り組みが導入されているものには「Aマーク」が付いています。


原田:私、この業界に入るまで知らなかったのですが、羊の毛を刈る際、衛生的な理由でおしりの皮膚を切り落として毛を刈るするミュールジングという方法があるんですよね。近年はミュールジングを規制する国も多くなりましたし、海外のラグジュアリーブランドでもリアルファーではなくフェイクファーを使用するところが増えていますが、環境への配慮だけでなく、こうした動物愛護の観点での持続可能性を考えることもすごく大切だと感じます。

十亀:その通りですね。ただ考えるだけじゃなく、行動すること、それをお客さまに伝えることも大切だと感じます。例えば、アダストリアではウール調のサステナブル素材「WOOLLY TEC(ウーリーテック)」の開発にも取り組んでいますが、それもひとつのサステナブル活動ですし。

原田:再生資源を活用したポリエステルやオーガニックコットンを使用した商品は、社内全体で特に増えてきた実感があります。

十亀:私たちは自信を持って「サステナブルな商品です」と言えるものづくりをしているからこそ、サステナブルマークの存在をもっとたくさんの方に知ってもらいたいですし、このマークのある商品を増やせるようもっと頑張りたいですね。

環境にも、人にも、すべてにやさしく。
できることを、ひとつずつ。


原田:地球環境に配慮した意識はもちろん大切ですが、「どんな人が、どんな労働環境で働いてこの服をつくっているか」もしっかり考えたいと思うんです。

十亀:ひとつの商品をつくるまでには、アダストリアのスタッフだけじゃない、本当にたくさんの方が関わっていますもんね。

原田:コロナ禍に入ってから難しくなりましたが、以前は海外の協力工場へ実際に行かせてもらう機会もあったんです。染色の工場はすごく温度が高くて、汗だくになって働いてくださっている方がたくさんいらっしゃいました。 世界各国に協力してくださる工場が存在する中で、そこで働く方々の労働環境の改善もしっかりと視野に入れていきたいんですよね。


原田:それから、実際に商品を販売してくれている店舗でも、もっと環境や人に優しい取り組みを進められればと思っています。私はときどき店舗へお手伝いに行きますが、商品の納品方法や梱包の仕方についてなど、もっと改善できるところがいろいろあるはずなんですよね。売場目線でできることについても、しっかり考えていきたいと思います。

十亀:僕たちはお客さまに感動やワクワクを届けるため、「Play fashion!」をミッションに掲げています。でも、まずは作り手側が楽しみ、感動できないと、お客さまにも同じように感じてもらえないでしょうしね。


原田:そうなんですよ!私たちは商品をつくる際、どんな商品ならお客さまに喜んでもらえるだろう、どんなスタイリングなら楽しんでもらえるだろう……と、チームのみんなで考えるじゃないですか。私、その時間がとても好きなんですよね。それに、みんなが一丸となってつくった商品ほど反響も高いですし。

十亀:確かにそうですね。想いを込めてつくったものは、ちゃんと届くんだなというのは僕も常に感じます。サステナブルな取り組みについても、同じですよね。

原田:どんなときも「楽しみながら服をつくる」の姿勢は、私たちが自然と体現できている「Play fashion!」。まだまだできていないこと、やるべきことはたくさんあると思うんですが、サステナブルについても、ひとつずつ叶えていきたいと思います。


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