私たちにとって「ファッションをもっと楽しむ」とは

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オーダーメイドのおしゃれな介護ユニフォームで、福祉業界にもっとワクワクを!

アダストリアの「服をつくる」生産体制背景やノウハウを活かして、さまざまな企業のユニフォーム制作や空間のプロデュースなどBtoB事業案件を行う「アダストリア・ライフスタイル・クリエイション(以下、ALC)」。
今回は、社会福祉法人 北養会が運営する特別養護老人ホーム・救護施設「もくせい」の介護職員用ユニフォームを制作しました。最初にアダストリアに興味を持ってもらえたきっかけや完成するまでのエピソードを、「もくせい」のみなさんと一緒に振り返ります。

すべての人に「Play fashion!」を。
その想いに共感してスタートした
“働くみんながときめく”ユニフォームづくり。


山口:特別養護老人ホーム「もくせい」の介護課課長、山口です。どうぞよろしくお願いします。

齋藤:生活相談員の齋藤です。元々は介護職員として現場でご利用者さまの生活のサポートをしていました。

金子:アダストリアのALCに所属している金子です。アダストリアにはたくさんのファッションブランドがありますが、ALCは企業や団体に向けて事業を展開しているBtoBの部署。過去には、企業のユニフォーム制作の実績もたくさんあります。


大谷:大谷です。私はアダストリアのミッションである「Play fashion!」をすべての人に届けるためのプロジェクト「Play fashion! for ALL」を担当しています。今回のユニフォーム制作は、「もくせい」のみなさんが「Play fashion! for ALL」の活動に共感してくださったのがきっかけでスタートしたんですよね。山口さんたちといろいろお話をする中で、「カッコよくて、みんながときめくユニフォームをつくりたい」という声を伺って。


山口:「Play fashion! for ALL」は、病気や障がいを持つ方でも着やすい服を提案していると知り、その考え方にすごく共感したんです。ぜひうちのユニフォームもつくってもらえないかと相談させてもらいました。

大谷:それで、私が企業のユニフォームをつくっているALCの金子さんに協力をお願いしたんです。

みんなの想いがこもった「着るのが楽しみなユニフォーム」を
もっと望んでいいんだって、初めて思えた。

山口:今までの「もくせい」のユニフォームは、ピンクと黄緑のポロシャツ。それにチノパンを合わせていました。以前からユニフォームに対する悩みはみんなあったと思いますが、公の場で話す機会は特になかったんですよね。そこで改めて、スタッフにユニフォームについてどう思うか尋ねたところ、「変えてほしい」という声がたくさん出てきたんです。


齋藤:私は「正直、今のユニフォームはダサくて着ていられません」と伝えました。私たちはご利用者さまとお買い物やドライブ、お花見をするなど外で一緒に過ごすことが多いのですが、あの格好で外出するのがイヤでイヤで…… 1日の大半をユニフォームで過ごすのに、着ても全然ワクワクしない。もっとモチベーションが上がるようなものになればいいなと、ずっと秘かに思っていたんです。だから、一新すると決まったときはすごくテンションが上がりました。それも、たくさんのスタッフがいつも愛用しているブランドを数多く展開するアダストリアにつくってもらえるなんて!って。


金子:プロジェクトがスタートしたとき、まずは現場のみなさんのユニフォームに関する意見を集めてもらいましたよね。すごくたくさん意見が集まって!

山口:とにかく全員の声を聞こうと、70人以上の意見をまとめてお渡ししましたね。

金子:山口さんたちは、スタッフのみなさんの声を本当に大事にしていましたよね。一人ひとりの趣味嗜好がありますし、職位や業務によっても希望が違っていたりして、それをどうひとつのユニフォームに仕上げるかは僕たちの腕の見せどころでした。

「アダストリアらしさ」と「介護らしさ」。
正直に話し合いながら、ベストな両立を。


金子:デザインを考えるにあたって、僕たちは介護業界についてすごく調べました。実際に介護業界の制服カタログを見てみたり、商品を取り寄せたり。でも、最初に我々からデザイン画をご提案した打ち合わせの後、電話がかかってきて「私たちが思っていたのと全然違っていました」と言わせてしまって。「全然期待に応えられていない!」と、すごく反省しました。今思えば、むしろ介護業界について調べすぎてしまったんですよね。

齋藤:多分、金子さんたちは介護業界について熱心に勉強してくれたんだと思います。でも、それが介護業界で働く私たちには「今まで通り」に見えてしまったんですよね。私たちとしてはアダストリアらしいファッショナブルな提案を期待していましたが、最初のデザイン画を見たときに「あれ?かっこいいけど見たことある…」と感じてしまって。

金子:むしろ、そこでハッキリ言ってもらえて良かったと思っています。そこでもし言ってもらえなければ、絶対に僕たちも後悔したはず。初回の提案では、僕たちはアダストリアらしいファッショナブルさを求められているのに、介護らしさを意識しすぎてしまったと、とても反省しました。根本から考え直して、その次は3タイプのデザイン画を提案させていただきました。


山口:次の提案では印象がガラっと変わりましたよ。みんなで「うわ!すごい!どれもいいね!」って。

齋藤:そうそう、どれも良いからこそ、私たちの意見も割れたんですよね。どれが採用されてもいいぐらい、素敵なデザインでした。

金子:そう言っていただけて嬉しいです。ALCでは、企業プロデュースを行う際に「まずは、雑談から」とお伝えしています。その言葉通り、みなさんがどんな声もすべて伝えてくれたことで、より良いユニフォームができたんだと思っています。

齋藤:私も、何でも正直にやり取りできたからこそ、すごくいいものに仕上がったと感じています。「せっかくイチからつくるなら!」と、いろいろ言いたい放題言わせてもらいましたが、全部きちんと応えてもらえたことで、「もくせい」の夢と想いが詰まったユニフォームになったと感じています。

山口:僕たちは服をつくったことがないので、デザイン画を見るだけじゃ完成のイメージがまったくできなくて。金子さんたちがデザイン画をベースにサンプル品をつくって試着させてくれたりしたのも嬉しかったですね。そこまでしてくれたから、「つくってもらった」より「一緒につくった」という感覚も強いです。

働きやすくて、着たくなる。
ワクワクするユニフォームが完成!


山口:僕が今着ているのが、まさにアダストリアと一緒につくった新しいユニフォーム。すごくいいですよね。

齋藤:ちょっとゆったりめのシルエットと、同系色のセットアップがすごくおしゃれなユニフォームに仕上がったなと思います。あと、実際に着てみるとすごく軽い!


大谷:この生地はアダストリアが独自に開発した素材「cotatto(コタット)」を採用しています。コットンの様に見えるけど、実はポリエステル100%。軽さはもちろん、洗濯しても綿素材よりも乾きやすく、シワになりにくいという特徴がある“いいとこ取り”の新素材です。おまけに、丈夫でストレッチ性もあるので、よく体を動かす方にオススメの生地なんです。

金子:ネイビーにしたのは、汗染みや汚れが目立ちにくいように。それから、ウエスト部分をイージー仕様にしてサイズ調整しやすく、ラクに着られるようにしました。また、介護の仕事はしゃがんだりかがんだりの作業も多いですから、股の部分が割けにくいよう、菱形のガジェットを入れてゆとりを持たせています。このあたりの動きやすさはアウトドアやスポーツ向けのデザインを参考にしているんですよ。

齋藤:ユニフォームは今まで2着の支給でしたが、夜勤や雨の日が続くと洗濯が追いつかず、どうしてもにおいが気になるときがありました。仕事中に服を汚すことも多いので、洗濯のしやすさや汚れの目立たなさまで考えてもらえたのはすごく有り難いですね。


山口:そう、ユニフォームが2着じゃ足りないという意見も多かったので、リニューアルを機にトップスの支給数も3着に増やしたんですよ。

金子:他にも、実際のお仕事の様子や困りごとが何かを詳しく教えてもらいながら、それらを解消するための機能や工夫をたくさん取り入れています。例えば、「もくせい」のみなさんの必須アイテムと言えばボールペンとPHS、それからハンコ。すべてまとめて胸ポケットに入れている人がいれば、パンツなど腰まわりのポケットに入れた方が作業しやすい人もいるんですよ。どちらにも応えられるよう、トップスの胸元とサイドの部分にそれぞれ、大きめのポケットを取り付けています。


金子:胸のポケットはかがんだときに中のものが落ちないよう、入口をサイドにしてファスナーをつけています。みなさんと一緒に何度もシミュレーションしながら、介護する方の頭に当たったりしないかも確認しましたよね。

大谷:胸元に刺繍されたロゴも、すごくステキですよね。北養会のロゴと一緒に「Play fashion! for ALL」のロゴまで入れてくださって!

山口:「Play fashion! for ALL」のロゴは、絶対に入れたいと言っていたんですよ。僕たちは「Play fashion! for ALL」の取り組みに共感をしていましたし、一緒にものをつくったという感じがしてすごくいいなと思っています。

「ファッション×福祉」でできることを、もっと!

山口:スタッフがこのユニフォームを着て働いたら、今まで感じていたストレスがかなり軽減されると思います。さっき、齋藤がユニフォームを着て出かけるのが恥ずかしいと言っていましたが、これからはどんどんこのユニフォームで出かけてほしいですね。


齋藤:完成したユニフォームをスタッフに着てもらったとき、みんな「すごーい」「今までと全然違う!」とテンションが上がっていたので、あのイキイキとした表情が「もくせい」に広がれば、ご利用者さまも嬉しいと感じてくれるはず。それがすごく楽しみですね。

大谷:「Play fashion! for ALL」では障がいや病気の有無に関わらず、誰もが「着やすい・着たい服」を提案しています。今回は介護職員スタッフさんが着るユニフォームでしたが、将来的にはご利用者さまにも着ていただけるような服をつくりたいと考えたりしています。ファッションの力で、少しでも福祉の世界にトキメキを届けていきたいです。


金子:「もくせい」を運営する北養会さんは、茨城を中心に介護施設だけでなく介護の専門学校や保育園も運営されています。ぜひ、学生の方が実習で着るユニフォームなども考えてみたいですね。それから、アダストリアは服だけでなく空間デザインの事業も展開しています。そういうところも、何かお手伝いができれば嬉しいですね。

Play fashion! for ALL
これまでの取り組みはこちらから
すべての人が、ファッションを もっと楽しめる社会を創る。
障がい×ファッション×アート すべての人が繋がる!グッドコミュニティイベント ~インクルーシブな社会の実現へ~

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