私たちにとって「ファッションをもっと楽しむ」とは

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「“人”が主役」をテーマに自動化を推進。アダストリアのEC物流センターが全面リニューアル!

アダストリアグループには、全国6エリアに物流倉庫があります。その中のひとつ、公式WEBストア .st(ドットエスティ)に関する在庫の管理や発送を行う茨城西物流センター(ECDC)が、2022年9月に全面リニューアル!

「“人”が主役の物流センター」をテーマに、最新のテクノロジーを導入し、機械化・自動化を加速しました。一体どんなところが変わったのでしょうか!?センター長の飯村さんと副センター長の高坂さんにお話を聞いてみます。

公式WEBストア  .st(ドットエスティ)を支える、茨城西物流センター


飯村&高坂:よろしくお願いします。今日は、茨城西物流センターの中を回りながらいろいろと説明させてもらいますね。


飯村:茨城西物流センターでは、公式WEBストア  .st(ドットエスティ)で取り扱うすべての商品を管理しています。自社の洋服やコスメ、生活雑貨をはじめ、最近では美容器具や食品、家電製品など……お客さまがサイトやアプリを通じて注文した商品は、ここから毎日発送されているんです。

高坂:特にコロナ禍以降、ECサイトのニーズは高まり続けています。今後、オーダー数はますます増えると予測し、2020年頃から物流倉庫の機械化を計画してきました。そして2022年9月にリニューアルが完成しました。

飯村:センター内の約4,500坪(約1,500平方メートル)がECサイト用のエリアでしたが、今回のリニューアルで6,000坪(約2,000平方メートル)まで拡大しています。


飯村:いちばん大きく変わったのは、オレンジカラーの自動搬送ロボット「AGV」を120台、それに連動する可動棚を1,400台導入したことですね。


飯村:今までは、すべての商品をスタッフが歩いて取りに行っていました。しかし、リニューアルによってロボットが商品の入った棚を私たちの元まで運んで来てくれるようになったので、スタッフの作業量が大幅に削減され、生産性は3倍にアップしています。


高坂:ロボットが運んできてくれる棚は全発注数の約4割。残りの6割はスタッフが棚まで歩いてピッキングしてくれるのですが、この棚の配置に関しても、歩く距離がなるべく少なくすむよう、区画整備し直しました。


飯村:今までは1日の歩数が合計2万歩を超えるというスタッフもいたのですが、ロボットの導入と区画整備によって、4分の1程度にまで軽減されています。


高坂:また、「PTI・LED仕分け機」と言って、商品をスキャンするだけでどのボックスに仕分けるかをLEDライトが指示してくれる機器も新たに導入しています。これも、作業が前よりはかどると好評ですね。

自動化だけに留まらない。
さまざまな視点から、スタッフに働きがいを。


飯村:実は、スタッフ専用の休憩室も全面リニューアルしているんですよ。とてもおしゃれな空間でしょう。各店舗のデザインや設計を手がけているアダストリアの店舗開発本部が考えてくれました。

高坂:現在、物流センターで働くスタッフの約9割は女性です。子育て世帯も多く、その層の人たちの想いをしっかり考慮してもらえたと感じますね。フリーWi-Fiも完備し、イスについても、スタッフの意見を参考にしながら荷物置きがあるものを選んでもらって。


飯村:休憩時間がより充実するようになったという声が届いていますよね。それから、これは以前からですが茨城西物流センターではスタッフの働きやすさを追求したいと、「朝の3時間だけ」や「子どもが帰ってくるまで」など、プライベートと調整がしやすい比較的短時間の勤務シフトを取り入れています。

高坂:物流センターとしては珍しく、髪型や服装自由なところもスタッフのみなさんが注目しているところだと思います。やっぱり、流行のファッションを扱う場所ですし、ファッションが好きで働いてくれている方が多いからこそ、そこは自由度の高さを優先したいという想いがあるんですよね。

「“人”が主役」を合い言葉に、
いろんなワクワクを届けていく。


飯村:今回掲げていたリニューアルのテーマは「“人”が主役の物流センター」。自動化と言うと何となく機械の方をメインに考えがちですが、僕たちはとにかく、“人”をいちばんに考えてきました。

高坂:“人”とは、物流センターで働くスタッフはもちろん、商品を手にするお客さまも含めたすべての人。例えば、今回は一部エリアで機械化を進めましたが、梱包作業などは変わらず人の手で行っています。これにはある想いがあるんですよね。

飯村:そうなんです。私たちはこれまでにたくさんのお客さまに商品を届けてきましたが、その中で「梱包が丁寧」だと評価いただくことが多かったんですよ。実際、梱包に関してはスタッフも特に力を入れている部分だったので、「そこまで全部自動化することはないよね」「これからも丁寧な梱包を心がけたいよね」という話はずっとしていました。


高坂:「欲しい」と注文した洋服やアクセサリーが詰めこまれた箱は、お客さまにとって宝箱のようなもの。届いた荷物を開けたとき、きちんと梱包されて、一つひとつキレイにたたまれていたら嬉しいですよね。シワにならないよう商品の素材に合わせて梱包の仕方を変えたり、アクセサリーなどは見落としや紛失がないようテープで留めたり、箱のサイズがピッタリになるようちゃんと目で見て選んだりと、お客さまに喜んでもらうための工夫をスタッフみんなが取り入れてくれているんです。でも、自動化に頼ると、注文内容がお客さまによって異なることもあり、今までと同じような梱包を再現するのはどうしても難しくなってしまう……みんなで培ってきた「丁寧な梱包」は、僕たちとしても絶対になくしたくない部分だったんです。


飯村:届いた荷物を開けたときにガッカリするより、嬉しさやワクワクした気持ちを感じてもらいたい。そう思って作業してくれる人がたくさんいるのは、「自分もファッションが好きだから」という理由で働いているスタッフが多いからかもしれないですね。

高坂:梱包に込められた想いには、アダストリアがミッションに掲げている「Play fashion!」の実現にも通じていると思います。

飯村:機械化によって作業量が軽減された分、梱包作業をはじめ、返品・交換やギフトといったサービス面にもより力を入れたいと考えています。それもまた、「Play fashion!」につながりそうですよね。

働きやすい職場をつくるためにも、
物流業界が抱える問題に向きあい続ける。


飯村:アダストリアグループでは3つの重点テーマを掲げていますが、そのひとつが「人を輝かせる」です。お客さまも、スタッフも、関わる誰もがワクワクできる環境づくりをグループ全体で目指しています。今回のリニューアルを通じて、一人ひとりがより長く、安心して働いてもらえる職場環境に近づいていればいいなと思いますね。


高坂:物流業界は常に人手不足が問題視されています。物流センターで働くスタッフをはじめ、荷物を配送するドライバーなどもそうですね。ネット通販事業全体が拡大し続ければ、ますます深刻化すると思います。そうした問題も、私たちにできることから改善につなげたいですよね。


飯村:そのひとつが、アダストリアグループが賛同している「ホワイト物流」推進運動(※)ですよね。

高坂:そうですね。茨城西物流センターでは、商品を出荷する際はドライバーさんをお待たせすることがないよう、運送会社と着車時間の確認をしながらトラックが到着する前にある程度配送準備を終わらせるようにしたり、当日の出荷件数・時間をしっかりと共有してトラックのオーダー数が適正になるよう調整したりしています。荷物をカゴ車へ配置する際も「キレイに積めばもっと入るのに」といった無駄なスペースをつくらず、効率良く積むようにして。こうした取り組みを通じてトラックの出荷台数を適正に近づけられれば、ドライバー不足の解消やCO2排出量の削減にもつながっていきますよね。

飯村:物流サービスは、出荷するセンターの働きと、それをお客さまの元に運ぶ人たちの連携があって成り立つもの。これからも、私たちにできることは可能な限りやっていきたいですね。ここで働くスタッフも、商品を運んでくれるドライバーや届けてくれる配送員の方も、荷物を受け取るお客さまも。すべての人にとって、より良い環境に近づけられればと思います。

※「ホワイト物流」推進運動……出荷元・納品先での待ち時間が長いことによる長時間労働、積み込みや積み卸しといった荷役作業による肉体的負担などによって深刻化するトラックドライバー不足の問題を解消するため、国が取り組んでいる運動のひとつ。アダストリアでも、よりホワイトな労働環境の実現を目指した取り組みを進めています。



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